ザ・ライフ・カムパニイ
ザ・ライフ・カムパニイ

ある女優さんの言葉

稽古場に遠くから通っているある女優さんがいます。

彼女はガンになったことがあります。ありますということは現在自然退縮してのびのびと稽古に励んでいる、ということす。
自然退縮させたくらいの感性をもっている彼女は、やはり何事もポジティブな考えを持っている人です。

彼女は色々な舞台を経験してきました。しかしどの舞台も何か足りない。そして何がどう足りないのかも見えてこないと悩んでいたそうです。
演出家や先輩俳優たちに色々聞いても、やり方や方法論の話しか返ってこなく、「私が本当にそうありたいと漠然と心に抱いていることに応えてくれていない」と感じていました。

それは、やり方や方法論、テクニックでは感じることのできない、心の奥に、「そうだ、これだ!」というものに出会っていなかったからだと言っていました。
ライフの稽古を初めて受けたときに、彼女はなんと新鮮なんだろう。稽古で言われていることが、今まで自分が求めていることに応えてくれていると思ったそうです。

ライフの稽古は一言で言い表すことはできませんが「俳優である前にあなたという人間の人間性が創造に参加しなければ、やっている意味があるのでしょうか」という本質のテーマを大事にしています。
ですから方法論やテクニックの稽古も必要ですが、俳優自身の人間力に触れ語りかけるような稽古を中心に、そしてその人自身の人間的な息づきを役に開かせていく稽古を大切にしています。

これはとても時間をかける必要があります。スピードを要求する現代の風潮とは真逆の、まるで時が止まったようなゆったりとした時間の中で自分と出会っていく場です。

「俳優は真の自分と出会ったとき、役に本物の生命が息づくことを知ってほしい」

彼女はこのテーマを今日も稽古しています。
終わると「不思議に心が満ちて幸せを感じるわ」と、ニコッと笑うのです。

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